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クリックが減るのは仕方ない?AI Overviewでの検索流入減の原因と対策

検索順位が変わっていないのにクリックが減った場合、AI Overviewによる検索行動の変化が影響していることがあります。Pew Research Center、Ahrefs、Seer Interactiveの調査に基づき、クリック減少の確認方法と記事の改善ポイントを解説します。

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クリックが減っているのは自社だけではない

検索順位はほとんど変わっていないのに、Google検索からのクリックが減っている。こうした変化は、AI Overviewが表示される検索で確認されています。AI Overviewは、GoogleがAIによる概要と呼ぶ機能で、検索結果の上部に回答と出典リンクを表示します。利用者がそこで必要な情報を得れば、通常の検索結果を開く理由は減ります。

Pew Research Centerが米国成人900人の検索行動を調べたところ、AIによる概要が表示された検索で通常の検索結果がクリックされた割合は8%、表示されなかった検索では15%でした。(Pew Research Centerの検索行動調査)

日本でも同じ変化が確認されています。Ahrefsの2026年6月の情報収集型キーワード調査では、AI Overviewが表示された検索1位の実測CTRは9.0%で、予測値の24.1%を下回りました。CTRは、検索結果の表示回数に対するクリックの割合です。(Ahrefsの日本CTR調査)

順位を維持していても、以前と同じクリック数を得られるとは限りません。検索流入が落ちたときは、順位に加えてCTRの変化とAI Overviewの表示を確認します。

AI Overviewが出る検索ではクリック率が下がる

AIによる概要が表示された検索では、通常の検索結果へのクリックが少なく、検索後に閲覧を終了した割合も高い結果でした。Pew Research Centerの調査では、次の差が確認されています。(Pew Research Centerの検索行動調査)

検索後の行動 AIによる概要あり AIによる概要なし
通常の検索結果をクリック 8% 15%
概要内の出典リンクをクリック 1% 対象外
閲覧セッションを終了 26% 16%

概要内の出典リンクがクリックされた割合は、概要が表示された検索の 1% でした。出典として掲載されても、そのリンクから得られるクリックは少ない結果です。(Pew Research Centerの検索行動調査)

調査対象は、2025年3月の閲覧履歴に含まれる約6.9万件のGoogle検索です。検索結果は同年4月7〜17日に再取得しています。8%と15%は概要の有無による検索の比較です。表の閲覧セッションの終了はブラウザを5秒以上離れた場合を指し、終了の理由は特定されていません。(Pew Research Centerの調査方法)

日本の検索1位CTRは予測値より62.7%低かった

Ahrefsの日本調査では、2026年6月の情報収集型キーワードで、AI Overviewが表示された検索1位の実測CTRは9.0%でした。過去のCTRとAI Overviewが表示されない検索の推移をもとに算出した予測CTRは24.1%で、実測値は予測値より 62.7%低い 結果でした。(Ahrefsの日本CTR調査)

検索1位のCTR 日本の情報収集型キーワード
AI Overviewがなかった場合の予測値 24.1%
AI Overview表示時の実測値 9.0%
予測値に対する実測値の低下率 62.7%

予測値の24.1%は、2024年6月のAI Overview表示時のCTRに、概要が表示されない検索のその後のCTRの推移を反映して算出した値です。62.7%は、この予測値に対する実測値の低下率を指します。

検索順位だけで流入を予測すると、このようなCTRの変化を見落とす可能性があります。流入予測には、自社ページが現在得ている表示回数とCTRを使い、主要な検索語でAI Overviewが表示されているかも確認します。

約58%が1か月の間にAI Overviewを一度は目にしている

Pew Research Centerの調査では、対象となった米国成人900人の 58% が、1か月の間にAIによる概要が表示されるGoogle検索を少なくとも1回行っていました。調査対象の検索全体では、概要が表示された割合は18%です。(Pew Research Centerの検索行動調査)

検索ごとの表示率は18%でも、1か月では調査対象者の半数を超える人がAIによる概要に接触しています。58%は利用者の割合、18%は検索の割合で、どちらも2025年の米国調査の結果です。

同じ調査では、1〜2語の検索で概要が表示された割合は8%、10語以上では53%、疑問詞で始まる検索では60%でした。これらは米国での検索語に基づく分類です。(Pew Research Centerの検索語別集計)

解説記事や手順を説明する記事では、対象の検索語でどのような回答が表示されるかを確認します。記事を開いて読む理由になる詳しい条件、検証結果、具体例が本文にあるかを点検することも必要です。

AI Overviewに引用される方がクリックも得ている

AI Overviewが出る検索でも、出典として引用されたブランドは、引用されなかったブランドより表示回数あたりのクリックを得ています。Seer Interactiveが2026年4月に公開した調査では、次の差が確認されています。表は 2025年通年の情報収集型検索 の集計です。(Seer InteractiveのCTR調査)

この表は、調査対象ブランドの検索データを、検索結果にAI Overviewが出る検索語と出ない検索語に分類した比較です。AI Overviewが出る検索語は、さらに、そのブランドのサイトが出典として引用されているかで分類しています。CTRは各グループのクリック総数を表示回数の合計で割った値です。(Seer Interactiveの調査方法)

検索語のグループ 調査対象ブランドの広告以外の検索結果のCTR
AI Overviewが出ない検索語 3.35%
AI Overviewが出る検索語・ブランドのサイトが引用されている 2.07%
AI Overviewが出る検索語・ブランドのサイトが引用されていない 0.94%

AI Overviewが出る検索語の中では、引用ありの2.07%は、引用なしの0.94%より約120%高い値です。一方、概要が出ない検索語の3.35%を下回っています。つまり、概要が出る検索では引用されている方がクリックも得ていますが、概要が出ない検索の方がCTRは高い結果です。ここで比較しているのは広告以外の検索結果のCTRであり、概要内の出典リンクだけのクリック率とは区別します。(Seer Interactiveの引用状況別集計)

各グループには異なる検索語やブランドのデータが含まれます。また、概要の有無と引用状況は最新の検索結果で判定し、その分類を過去のデータにも適用しています。同じページで概要を表示する前後の変化を測った実験とは比較条件が異なります。検索1位だけの集計でもないため、前節のAhrefsのCTRとは直接比較できません。(Seer Interactiveの比較条件)

調査全体は53ブランド、約547万件の検索語を対象に、2025年1月〜2026年2月の実測データを分析しています。引用なしの集計では、CTRが0.20%の1社が表示回数の47%を占めており、その会社を除くとCTRは約1.61%になります。120%という差には、このデータの偏りも影響しています。(Seer Interactiveの調査方法と制約)

この調査では、AI Overviewが出る検索で、引用されたブランドの方が表示回数あたりのクリックを得ています。観察データが示しているのは引用状況とCTRの関連で、引用そのものの効果を判断するには追加の検証が必要です。自社が出典に選ばれているかを確認し、クリック数や購入・問い合わせの変化と照合します。

クリックが減ったら順位とAI Overviewへの露出を確認する

検索流入が減った記事では、Search Consoleで同じページと検索語を対象に期間を比較し、表示回数、掲載順位、クリック数、CTRのどこに変化があるかを確認します。国やデバイスもそろえると、集計対象の違いによる変化を把握できます。

確認する指標 判断と次の確認
表示回数 減っている場合は検索需要や対象の検索語の変化を調べる
掲載順位 下がっている場合は検索結果と競合ページの内容を確認する
クリック数とCTR 順位がほぼ同じでCTRが下がった場合はAI Overviewや広告などの表示を確認する
生成AI機能での表示回数 自社ページへのリンクがAI検索で表示されているかを確認する
購入や問い合わせ 流入減少が事業の成果に与えた影響を確認する

Googleは2026年8月31日付けで、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを世界中のサイトに公開したと案内しています。このレポートでは、AIによる概要とAIモードで自社サイトへのリンクがユーザーに表示された回数を、ページ、国、日付、デバイスごとに確認できます。(Google Search Console ヘルプ)

生成AIレポートの表示回数は、AIによる概要とAIモードの合算 です。公式ヘルプに記載された指標と内訳には、機能別の集計や検索語、クリック数が含まれていません。AIによる概要だけでの引用状況は、対象の検索結果を確認して記録します。(Google Search Console ヘルプ)

AI機能からのクリックは、Search Consoleの検索結果パフォーマンスレポートのウェブ検索データに含まれます。生成AIレポートの表示回数と検索結果レポートのクリック数は、対象範囲が異なる指標として比較します。(Google検索セントラルのAI機能ガイド)

順位がほぼ同じでCTRが下がり、生成AIレポートの表示回数が増えている場合は、主要な検索語でAIによる概要の表示内容を調べます。確認した検索語、日付、国、端末、出典URLを記録すると、次回の調査で変化を比較できます。

情報記事はAIから引用されるページに変える

情報収集型の記事では、検索結果からクリックされることに加えて、AI Overviewの出典として使われることも目標に加えます。そのために、読者が求める答えと、その答えを確かめる根拠を本文に記載します。

Googleは、AI機能にも従来のSEOの基本が有効だと説明しています。出典リンクの対象となるには、ページがGoogleの検索対象として登録され、検索結果で説明文を表示できることが必要です。(Google検索セントラルのAI機能ガイド)

記事を改善する際は、回答、根拠、比較条件、独自情報を次の項目に沿って点検します。

確認する内容 修正する箇所
質問への答え 見出し直後に答えを記載し、適用条件を続ける
数字 調査主体、対象、集計期間、数値の意味を明記する
根拠 主張の近くに一次資料へのリンクを置く
比較 比較対象、評価基準、集計条件をそろえる
料金や仕様 公式情報と照合し、確認時点を記載する
独自情報 自社データや検証結果と、その調査方法を示す
検索での登録と本文の取得 Search Consoleで登録状況を確認し、重要な本文をテキストで掲載する

たとえば、料金を比較する記事なら、金額に加えて、税込・税別、契約期間、追加費用、確認日を記載します。読者が同じ条件で比較できる情報は、回答の根拠を検証する際にも役立ちます。

Googleも、重要な情報をテキストで提示し、クロールを許可することを推奨しています。本文の根拠が不足しているページは内容を追記し、検索に登録されていないページは登録状況やアクセス制限を確認するなど、見つかった問題に応じて修正します。(Google検索セントラルのAI機能ガイド)

クリックが残る検索もある

AI Overviewの表示頻度は、検索の目的によって異なります。Seer Interactiveの調査では、2026年2月を対象にした検索語別集計で、購入や予約などの取引型検索にAI Overviewが表示された割合は4.9%でした。(Seer Interactiveの検索意図別調査)

情報を知ることが目的の検索では、Googleの検索結果内で回答が完結できます。一方、購入、申込、問い合わせ、ツールの利用では、利用者が実際のサイトへ移動して行動する場面が残ります。流入が減った検索語の目的を確認し、そのページが担う役割に応じて成果を評価します。

解説記事では、クリック数と引用状況に加えて、関連するサービスページへの移動を確認します。購入や問い合わせにつながるページでは、クリック数と実際の購入・問い合わせ件数を照合し、事業への影響が大きいページの内容や導線を見直します。

クリック数だけでSEOの成果を判断しない

AI Overviewが表示される検索では、順位を維持していてもクリック率が下がっています。検索流入が減った記事では、順位、CTR、生成AI機能での表示回数、AI Overviewでの引用状況を確認し、どこで変化が起きているかを判断します。

情報収集型の記事では、AI Overviewの回答を支える出典として引用されることも成果の一つになります。読者の質問への答え、数値の条件、一次資料、独自の検証結果を具体的に示し、クリック数と引用状況の両方で改善の結果を評価します。

Please Cite Me!では公開URLを入力すると、AI検索がページへアクセスできるか、内容を理解できるか、主張を検証する根拠があるかを分析できます。

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著者紹介

岡本 侑馬

岡本 侑馬

Please Cite Me! 開発者・Abeam Tech株式会社 代表取締役

東京大学卒業。Webプロダクトの開発を行いながら、SEO・AI検索における情報設計や、Webコンテンツが検索エンジンやAIに正しく理解・引用されるための設計に取り組んでいます。

X / @okamoto_yuma_

よくある質問

AI Overviewが表示されると検索クリックは減りますか?

Pew Research Centerの調査では、概要が表示された検索で通常の検索結果がクリックされた割合は8%、表示されなかった検索では15%でした。概要の有無で異なる検索を比較した結果です。自社ページへの影響は、同じ検索語の順位やCTR、実際の検索結果をもとに判断します。

約58%の検索にAI Overviewが表示されているのですか?

58%は、調査対象の米国成人900人のうち、1か月間に概要が表示されるGoogle検索を少なくとも1回行った人の割合です。同じ調査で概要が表示された検索の割合は18%でした。

順位が変わっていないのにクリックが減ることはありますか?

あります。Ahrefsの日本調査では、2026年6月の情報収集型キーワードで、AI Overview表示時の検索1位の実測CTRは9.0%、予測CTRは24.1%でした。検索順位が同じでも、表示回数やクリック率の変化によってクリック数は変わります。

AI Overviewに引用されれば以前の流入に戻りますか?

引用されたサイトにも、以前の流入水準に届かない場合があります。Seer Interactiveの2025年通年の集計では、引用ありのCTRは2.07%で、AI Overviewなしの3.35%を下回りました。引用なしとの差も特定の1社のデータに影響されているため、自社のクリック数と引用状況を照合して評価します。

Search ConsoleでAI Overviewへの表示を確認できますか?

生成AIパフォーマンスレポートで、AIによる概要とAIモードを合算したリンクの表示回数を確認できます。ページ、国、日付、デバイスごとの内訳があります。AIによる概要だけの引用状況や対象の検索語は、実際の検索結果を確認して記録します。

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